「焼肉」に関する私の思い出

今から三十年ほど前までは、焼肉店はとても一般のアルバイト対象になる様な業態ではありませんでした。日本で肉の直火焼きが始まったのは太平洋戦争後の闇市で、食糧難から在日朝鮮人達が生業として日本人向けに牛肉の心臓(ハツ)を肉の代用品として売り出し成功したのがホルモン焼の始まりとされます。焼き上がりをタレにつけて食べる現在のスタイルは、1946年創業の大阪の食道園が元祖とされ、1960年代まで大都市圏で増えて行き、1970年以降全国に広がって来ました。
とは言え、煙と油にまみれた焼き肉店は、夜の飲酒目的の限られた客層のものでした。それを一変し、女性客やファミリー層を惹きつけ一気に大衆化したのは、焼肉のタレが家庭用に販売された事と、無煙ロースターの発明によります。A食品メーカーが焼肉のタレを発売したのが1968年3月、Bメーカーが無煙ロースターの販売を始めたのは1980年3月でした。私は1984年に婚約したのですが、相手の父親が上京して初めて連れて行ってくれたのが、赤坂の高級焼肉屋でした。田舎ほど偏見や差別がキツイものですが、私も例に洩れず「高級焼肉店は自分達の行く場所ではない」と勝手に決めていました。それに、大学時代クラブの仲間と時々行った千円食べ放題の焼肉店は、とても美味しいとは言えないものでした。しかし、義父の家は有名な陶器屋さんでしたので、外食産業についてもプロでした。店名は忘れてしまいましたが、恐らくかなりの名店だったと思います。一流フランス料理店に負けない店構えで、肉質も驚くほど良く、驚嘆したものでした。そこで初めてお目にかかったのが無煙ロースターでした。義父は当時新築したばかりの自宅にも、排煙装置とともにこれを設置していました。結婚後、我が家も子供達と一緒に外食と云えばもっぱら焼肉となったものです。
統計局のデータによると、平成21年全国の焼肉店の店舗数は14,944軒、187,705人が就労しています。平成18年のデータになりますが、79.9%がアルバイトで、その割合は産業小分類別順位でハンバーガー店の93.3%、コンビニの80.9%に次ぐ高い比率になっています(以下、一般食堂、料理店、喫茶店、各種小売業、西洋料理店、書籍・文具店、学習塾でいずれも75%以上)。

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